2025年度 スーパーカップ

こんにちは!
2年Gの間下俊です。
今回は、5/30~6/1に行われました、第8回スーパーカップの試合結果を報告させていただきます。
今大会には、2、3年生におけるAチームに選出されたメンバーで挑みました。参加校には、4月に最強決定戦で負けた日本体育大学や、昨季全学の舞台で戦った名城大学など、全国から強豪が集まり、非常にレベル感の高い大会でした。慶應にとっては現在の自分たちの実力を図り、主力の4年生不在の中でいかに戦うかを試行錯誤する、来季に向けての投資となる3日間となりました。
準々決勝
vs徳島大学
10-3で慶應の勝利
準決勝
vs同志社大学
2-5で慶應の敗北
3位決定戦
vs名城大学
2-3で慶應の敗北
以上の結果により4位となり、入賞さえも逃す非常に悔しい結果となりました。
大会初日、準々決勝の相手は初対戦となる徳島大学。初戦からトーナメント方式ということで独特な緊張感が漂う中試合開始の笛が鳴ります。第1Qは終始慶應ペースで進みますが、中々ゴールをこじ開けることができません。それでも残り3分、鈴木孝人(AT#52)からクリースでパスを受けた山崎(MF#70)の華麗なショットで先制点を奪い、1-0で第1Qで終えます。
続く第2Qは一転、相手にボールを握られると、開始1分、さらに7分と連続失点。逆転を許してしまいます。しかし福田天真(AT#4)がターンオーバーからの速攻で得点。なんとか2-2と追いつき、前半が終了します。
第3Qは相手の反則により、3分間人数有利の状態からスタートします。すると、小出(MF#14)がその絶好のチャンスを逃さず。右上から強烈なショットを2度も突き刺し、一気に2点のリードを得ます。勢いづいた慶應は佐藤(AT#31)もそれに続き3点差。終了間際に一瞬の隙をつかれ失点したものの第3Qは5-3と再逆転することに成功します。完全に流れを掴んだ慶應は第4Q、鈴木孝人(AT#52)、佐藤(AT#31)、小出(MF#14)が追加点をあげ、ディフェンスでは中本(DF#29)のボールダウンなど終始相手を圧倒。終わってみれば5得点で最終スコアは10-3。序盤はリードを許す思わぬ展開で不穏な空気も感じさせましたが、試合の中で着実に修正をし、準決勝進出を果たしました。

1Q
迎えた準決勝の相手は、昨年関西2位の強豪同志社大学。経験豊富なフルメンバーで戦う相手にいかに対抗するかチームの真価が問われます。
開始直後、相手がゴールを空けて前に出る攻撃的なライドを仕掛けてくる予想外の展開で始まります。が、落ち着いて対処すると、開始3分、福田天真(AT#4)が無人のゴールに流し込みあっさりと先制点を獲得。慶應オフェンスはそのまま勢いづくかに思われましたが、相手の堅く激しいディフェンスに苦戦し、ボールダウンやクリアミスが重なる苦しい状況が続きます。それでも、岩城(G#2)の立て続けの好セーブによってなんとか耐えていましたが、1Q終了間際、右上から入り込んできた相手を潰しきれず失点。1-1と同点に追いつかれたところで第1Qが終了します。
2Q
続く第2Q、嫌なムードを一変させたい慶應はU20日本代表に選出中の水本(FO#63)がポゼッションを獲得しオフェンス機会を創出します。FOの活躍に応えたい攻撃陣でしたが、長身の並ぶ相手の守備ブロックを前に容易にゴールに近づくことが出来ません。それでも、ディフェンスリーダーの峰岸(DF#5)によるボールダウンで懸命にオフェンスへと繋げます。が、相手ショートディフェンスの鮮やかなチェックでポゼッションを失うと、そこから始まった素早い攻撃を止められず失点。1-2と、主導権を奪われてしまいます。しかし、逆転されるのは既に初戦で経験済み。焦らず確実にまず同点を目指します。伊達(MF#18)、中村(MF#6)の粘り強い1on1からリズムを作ると、その後のオフェンスで宮地(MF#23)、福田天真(AT#4)の放ったショットはどちらも惜しくもバー。しかし、確実に得点の匂いを感じさせたまま後半へと突入します。

3Q
第3Qは慶應の反則により、3分間人数不利の状態から始まります。逆転のために一点でも奪われたくない状況の中、右上からのショットに岩城(G#2)が再びビッグセーブを魅せます。しかし、味方と呼吸が合わずポゼッションの確保には至らず、窮地が続きます。すると開始1分、さらに2分と、2度もトップから相手エースに強烈なショットを突き刺され1-4とリードを大きく広げられてしまいます。あまりの衝撃、3点差という事実に、重い空気が慶應ベンチを漂うと、相手の猛勢を止められず開始6分、追加点を奪われ、スコアを1-5とされます。逆転へもう一度前を向きたい慶應は失点直後、築地(DF#19)のボールダウンからポゼッションを獲得。さらに岩城(G#2)がセーブを連発するなど、オフェンスへと繋げ、少しずつ流れを取り戻そうとするところで第3Qが終了します。
4Q
決勝進出へ、一縷の望みにかけ全力を尽くす第4Qが始まります。開始1分、この試合何度目かというセーブでまたも岩城(G#2)がチームを救うと、開始3分、峰岸(DF#5)、伊藤(DF#22)のコンビでターンオーバーを創出。オフェンスへと繋げると、最後は佐藤(AT#31)がショットを放ちますが、こちらも相手ゴーリーの高い壁に阻まれます。それでも、誰1人下を向かず走り続けると、泰松(DF#84)を中心に何度もターンオーバーに成功します。すると開始12分、加藤(MF#77)からの絶好のパスを受けたのは、やはりこの男。クリースで受けた福田天真(AT#4)はそのまま振り向きざまにショットを放ち、意地の1点を上げます。残り3分、更に士気をあげ1点でも多く詰め寄ろうと、果敢に攻め続けますがその度に相手ディフェンスの堅い守りに止められチャンスを活かしきれず、遂に試合終了の笛が鳴り響きました。合計スコア2-5。慶應は翌日の3位決定戦に回ることになりました。

スーパーカップ2日目、前日の敗北から気持ちを切り替え、挑むのは昨年全学準決勝で対戦した名城大学。初戦では法政大学にサドンビクトリーの末勝利しており一瞬も気の抜けない相手となります。何としてでも3位という結果を掴み取り帰るべく、チーム一丸となって試合に臨みます。
1Q
第1Q、最初のチャンスは開始2分、混戦グラボからポゼッションを取り、パスを受けた福田天真(AT#4)が敵陣へと侵入。そのままランシューを打ちますが相手ゴーリーの好セーブに阻まれます。さらに開始6分、大会初スタメンの齋喜(AT#30)がクリースにダイブしながらショットを放つとネットを揺らしますが、惜しくもダイブした際の足がクリースにかかっておりゴールを認められません。その後は両校譲らぬ一進一退の緊迫した展開が続くと、1Q終了間際、相手のファールにより慶應はエキストラマンオフェンスのチャンスを獲得します。なかなか決めきれない状況が続く中で得たチャンス。確実にモノにしたい慶應は終了の笛ギリギリまで機会を伺い、遂に放った加藤(MF#77)のバウンシューは、第1Q終了の笛の直後にネットを揺らします。ゴールまであと1秒間に合わず、コートに響くどよめきと共に第1Qを終えます。
2Q
落胆はあったものの、着実にチャンスを作りゴールへと迫っていた1Qのプレーにチーム全体が手応えを感じながら第2Qに入ります。1Q同様、両者拮抗した状態が続くと、開始5分、相手がクリアから攻め込みピンチを迎えますが、力石(DF#83)の鋭いパスカットがチームを救います。さらに開始8分、相手に外側からランシューを打たれますが、門井(G#41)がゴールラインを割らせません。2年生がディフェンスで活躍を見せると、開始10分、遂に均衡が崩れます。流れるようなパス回しから右上で受けた山崎(MF#70)、華麗なステップから得意のランシューを放つとこれがゴールに吸い込まれます。スコアを1-0とし、欲しかった先制点をものにする鮮やかなプレーにベンチも沸き立ちます。すると開始11分、福田崇斗(MF#51) が冴え渡る勘でパスカット。チームが勢いづきますが、名城も簡単には崩れず、粘り強い守りで攻撃へと転じます。そして開始14分、名城がチャンスを作りトップからランシューを放ちますが中本(DF#29)が体を張ってセーブ。するとそのままボールをスクープし巧みに味方へ繋げます。洗練された一連の技で流れを渡しません。開始15分には、敵に囲まれた状態でパスを受けた末安(AT#48)がうまく掻い潜りシュートまでいきますが、相手ゴーリーに見事なセーブで防がれてしまい、前半が終了。先制点から勢いづきましたが、それでも気の抜けない展開のまま後半へと続きます。

3Q
追加点をあげ勝負を決めに行きたい慶應は第3Q、開始直後からリスクを恐れない相手の果敢なセットプレーに大苦戦します。自陣ゴールを空けボールマンに積極的に落としに行く、大胆で想定外なディフェンスに押され、慶應はポゼッションを失ってしまいます。すると、開始7分、相手エースに技ありのショットを決められ、1-1と試合を振り出しに戻されてしまいます。それでもまだ同点。再び勝ち越しを狙いたいところでしたが、相手のゴール前を固める守備をなかなか攻略できず、時間ばかりが過ぎていきます。終盤には10分、15分と立て続けにシュートを浴びますが、門井(G#41)が再び鉄壁のセーブを魅せ、クリアを上げ切ったところで第3Q終了の笛が鳴ります。
4Q
今大会最後の15分はまさかの出来事から始まります。最初のフェイスオフ、こぼれたボールを相手に拾われるとロングに渡りそのままブレイクが発生。慶應ゴールへと迫ると、相手はクロスを迷いなく振り抜きボールがネットに突き刺さります。試合開始僅か13秒でのプレーは、今大会3度目の被逆転弾となりスコアは1-2。あまりに一瞬のプレーにディフェンスも一度立ち尽くします。しかし、準決勝と同じ展開にはしません。開始6分、力石(DF#83)、福田崇斗(MF#51)のコンビでポゼッションを奪うと、3分後、今度は大会中チームを引っ張り続けてきた峰岸(DF#5)、中本(DF#29)の2人がターンオーバーを起こします。ボールを運んだ峰岸(DF#5)からパスを受けた鈴木孝人(AT#52)のスタンシューは惜しくも相手のゴーリークロスの中に。しかし、何度阻まれてもディフェンスはオフェンスを信じて最後までボールを味方に繋げますし、オフェンスも味方に応えるために最後まで諦めずにゴールへと向かいます。開始11分、相手のショットのこぼれ球を中本(DF#29)がグラボするとパスを繋ぎ、ポゼッションを獲得してタイムアウトに入ります。すると1分後でした。右上から1on1をかけた山崎(MF#70)が相手を引きつけると、逆サイドのクリースへとパス。そこに待ち構えていたのは桐原(MF#71)。針の穴を通すようなフィードから一瞬のクイックショットで値千金のゴールを上げます。STRIVEアーセナルMFの阿吽の呼吸によって同点とすると、その後の攻防も耐え第4Q終了の笛がなります。白熱のシーソーゲームは60分では決着が付かず、サドンビクトリーへと突入します。

サドンビクトリー1Q
唯一無二の緊張感、決めたら終わり決められても終わりのサドンビクトリー。チーム全員が常に残る力全てを懸けてプレーします。
なんとしてもポゼッションを取りたい最初のフェイスオフでしたが、またも相手に奪われます。するとそのままボールを回され、ゴール前のロングへとパス。絶望が頭をよぎります。しかし、そんな局面を守護神門井(G#41)がまさに神がかった反応でセーブ。チームを救います。その後のオフェンスでしたがパスミスによってボールを失うと、反則によりマンダウンディフェンスとなり再びピンチを迎えます。しかし、ここは桑原(DF#21)、小島(DF#25)を中心に集中したディフェンスを見せると、小島(DF#25)のパスから福田崇斗(MF#51)が相手をオフェンスを置き去りに。一転、チャンスとなります。パスを受けた末安(AT#48)が入り込み、ショットを放ちますが惜しくも枠外。その直後に笛が鳴ります。サドンビクトリーの第1Qは攻守が目まぐるしく変わる状態で終了しました。
サドンビクトリー2Q
第2Qは張り詰めた空気の中、慶應ポゼッションから始まります。開始直後、桐原(MF#71)が得意のスタンシューを放ちますが僅かに上へと外れます。その後も、慶應オフェンスはショットを重ねますが決めきれず。相手ポゼッションへと移ります。しかし、チームの核を担っていた峰岸(DF#5)はこの時間になっても集中力を切らしません。いつも以上に声をあげ味方に指示しリーダーシップを発揮し続ける彼を中心に、ディフェンス陣も最後まで必死に守ります。しかしそんな時間にもいつか終わりがやってきます。サドン第2Q残り10秒、裏でボールを持ったのは同点ゴールを決めた相手校の21番。奇しくも21番同士のマッチアップは残り1秒のところでネットを揺らされ相手に軍配が上がりました。試合終了。まさに死闘と言える試合の結果はあまりに無情なもので、フィールドには名城の選手たちの歓声が笛の音と共に響き渡りました。

以上の結果によりサドンビクトリーの末2-3と名城大学に敗れ、全体4位という結果となりました。普段主力となる4年生抜きで挑んだ今大会、フルメンバーとはいえ昨年全学やBリーグで圧倒していた相手に敗戦したこと。自分たちの力不足、チームビルディングの難しさを痛感し、改めて組織における4年生の偉大さを感じる3日間となりました。特に、笛があと1秒遅ければ、あと1秒速ければと言える場面に実際に直面し、ほんの少しの差が勝敗を変えるという事実を身をもって味わえたことはチームにとって良かったと言えるかもしれません。
選手、スタッフ一同この大会を経て、自分の課題、組織の課題など様々な課題が見つかった事でしょう。今シーズンの優勝に向けて邁進していくのは当然の事、全日制覇を成し遂げたその先、来シーズンも全日連覇を成し遂げることを見据え、日々当事者としての自覚、主体性を持って精進して参ります。
最後になりますが、この場をお借りして、この大会を開いて下さった運営の皆様、審判団の皆様、帯同して下さった裕太さん、応援に駆けつけて下さった保護者の方々に感謝いたします。本当にありがとうございました。
そして選手、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。
1ヶ月後にはリーグ戦も開幕します。全日本選手権優勝を成し遂げるその日まで、今後とも熱い応援の程、宜しくお願いいたします。
