【日記リレー2025 VOL.11】「多文化共生」~関志翔(4年/MF/#24/法学部政治学科/國學院久我山高等学校)~

元従業員の糟谷からバトンを受け取りました、鳳凰閣の関志翔です。
糟谷くんとはこれまで雇用主という立場で関わってきましたが、Bリーグの中央戦の日、彼との揉め事があり、やむを得ず彼を解雇する運びとなりました。ビールサーバーを元に戻さず、床一面が生ビールのプールになる騒ぎを起こすなど、正直「引き受けなければよかったかも…」と後悔する場面も多々ありました。「ご愛想」をメニュー名だと勘違いしてしまう彼ですが、誰よりもラクロスを愛し、撮影中の独自の実況スタイルは密かな名物ともなっています。ただ残念ながら、その魅力がミーティング中に日の目を見ることはほとんどありません。長くなりましたが、糟谷、これからは同期としてよろしくな!
日記で書く内容は前々から考えていましたが、気づけば締切日となり、須田の催促に追われながら、なんとか書き上げました。第一言語は中国語のため、読みづらい点もあるかもしれませんが、最後まで読んで頂けると嬉しいです。
この日記ブログで伝えたいことは、ただ一つです。それは、「多文化共生こそが、全日優勝を成し遂げるために最も必要な要素である」ということです。「この中国人は何を言ってるんだ?」と思うかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでみてください。
慶應ラクロス部は、塾高出身の経験者やスター選手がいるから強い、と他大学からよく思われがちですが、今年の代はそうとも言い切れません。清さんがよく口にする「discipline(規律)」という言葉。スター選手がいない今年のチームだからこそ、この規律を保つ営みが何よりも大切だと、日々感じています。
慶應ラクロス部は、良くも悪くも多様性のある組織です。塾高出身の経験者、外部出身のアーセ組、ニューヨーク校組、そして中国にルーツを持つ僕に、どこの惑星から来たのかよく分からない宇宙人、兵役帰りのシンガポール人、日本に実家を持たないモンゴル人など…挙げればキリがありません(笑)。
多様性があるからこそ、当然ぶつかることもあり、時には部活への温度差や、見えない壁が軋轢を生むこともあります。特に昨年度は、塾高組とアーセナル組の対立が目立ち、あちこちから不満や陰口を耳にすることが多くありました。それでも、昨年度は凜大さん、健さん、拓馬さんといったスター選手の存在が大きく、彼らの力があったからこそ、全学優勝を成し遂げられたのだと思っています。試合に出ていた僕自身、全学優勝の瞬間はもちろん嬉しかったですが、「自分が何かを成し遂げた」という実感は薄く、どこか物足りなさを感じていました。
今年の代には凜大さんのような圧倒的な実力を持つ選手はいません。もちろん、全員がスター選手と言えるまで努力を積み重ねることも大事だと思いますが、それ以上に、一人ひとりが自分の役割を全うしながら、規律を保って戦える総力戦が不可欠だと考えています。
それを体現できたのが、開幕戦の日体戦。僕がラクロスを始めてから、最も達成感を感じた試合でした。なぜなら、誰か一人に頼るのではなく、全員が役割を果たし、「チーム」として勝てたからです。試合に出る選手だけでなく、スタッフのベンチワークや、メンバー外の選手による応援も含め、全員が自分のエゴを捨て、同じ目標に向かって統一されていた、そんな試合だったと思います。
ただし、その「統一」に至る道のりは決して簡単ではありません。そして今もなお、その価値を最大化できているかといえば、正直、まだ道半ばです。多様な考え方や価値観を持つ者同士が、同じ方向を向くことは簡単ではありませんし、一方的に何かを押し付けても、不満や文句ばかりが募っていきます。
わかりやすい例を挙げましょう。よく「中国人はマナーが悪い」と言われることがありますが、たとえば公共の場で大きな声で話すのは、中国ではごく日常的なことです。つまり、日本の「マナー」は、中国人にとっては理解しにくい場合もあるということ。このように価値観を共有する難しさは確かにありますが、それでも同じ組織にいる以上、同じ目標を持ち、統一を図らなければ、全日優勝は達成できません。だからこそ、対話を通じてお互いを認め合い、理解し合う「多文化共生」の営みが、必要だと強く思っています。
僕らの代は、それをうまく体現できている代だと自負しています。最近は集まりが悪いこともありますが、試合後には終電から朝まで鳳凰閣で語り合ったり、生田練の帰りに昼飯を食べながら思いを共有したりと、同期の中で常に「対話」を重ねてきました。今はDFリーダーの増田くんと仲良くしていますが、実は最初は壁もあり、正直言うと「嫌なやつだな」と思っていました(笑)。でも、鳳凰閣などのいろんな場を通して、様々な同期と思いを共有し合ってきたことで、バラバラだった個性がぶつかり合いながらも、少しずつ認め合い、信頼関係を築いていくことができたと思っています。そんな同期たちには、本当に感謝しかありません。
この日記を読んでくれている後輩たちにも、対話を通じた多文化共生の大切さを体得してもらいたいです。同期に対する不満があるのであれば、対等の関係でたくさん話し合ってみてください。また、同期だけでなく、コーチや先輩にも言いたいことがあれば、その悩みや思いを共有してみてください。対話を重ねないと理解が生まれないのは目に見えていることです。そして、互いを素直に認め合い、理解しようとするその先には、きっと「規律の取れた強いチーム」に繋がっていくといくと思います。
最後になりますが、冗談抜きで、この多文化共生の営みは、いずれは、溝ばかり深まる米中対立や台湾問題の解決にも貢献できる力があると、僕は本気で思っています。それほどまでに、今の僕たち、ひいては今の社会にとって必要不可欠な価値だと思っています。
それでは、恒例の感謝コーナーに入らせて頂きます。
加賀さん、清水さん、旭さん、玉置さん、荒井さんへ
先日の鳳凰閣で開催されたアーセ会に顔を出せず申し訳ないです。あの頃の飴と鞭があったからこそ、成長できたと思っています。今年は最上級生として全日優勝に導くので、残りの全試合観に来てくださいね!(特に荒井さん)
先輩方へ
早い段階からAチームで起用していただき、また、たくさんのことを教えていただき、本当にありがとうございます。ご迷惑をおかけすることも多々ありましたが、それらが実を結ぶよう、結果で恩返しします!
後輩方へ
いつも僕のつまらないボケを拾ってくれてありがとう!場が凍らないように、さりげなく気を配ってくれる中本には本当に感謝しています。ボケるために、いつも泰松のこといじってごめんね。その代わりに24番渡すから、引退まで根気強く我慢してほしい。ちなみに、あのつまらないボケも、実は対話のハードルを下げるための工夫です!
個別のメッセージを書きたいところですが、須田の催促がしつこいので、割愛します、、
鳳凰閣の従業員へ
いつも、うちのお店を回してくれてありがとう(特に水口)!糟谷は戻りたければいつでも言ってね!門井は、お客さんに出す料理を摘み食いする時は、ママの目を盗んでやってね!
両親含め、中国にいる150人の親戚へ
いつも国境を超えて、応援してくれて本当にありがとう。ラクロスとはどんな競技かわかってない方、そもそも僕がラクロスをしていることを存じ上げていない方が多数だと思いますが。これからも温かく見守ってくれると嬉しいです!今年の旧正月はちゃんと帰るので、沢山話ましょう!綴りたい思いは山々ですが、そもそも、日本語がわからないので、ここも割愛します。
Aチームのショーディズへ
増田が言うには、今年はショーディーが強いからディフェンスが強いらしい!それぞれの得意不得意がはっきり分かれているけど、それらを武器に、最後まで力を合わせて全日優勝に導こう!!
同期へ
「史上最高に仲が良い代」だと胸を張って、全日優勝の表彰式で言いたいです!それぐらい皆のことが大好きです!今、求められている役割はそれぞれ違うと思うけど、一緒に全日優勝に向かって頑張ろう!
最後になりますが、平素より弊部に関わってくださっている監督方、コーチ陣の方々、OBOGの方々、ラクロス協会の方々、本当にありがとうございます。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
次は、我らが小さな巨人、DFリーダー・関根です。彼とは2年生の初めに、同じタイミングでAチームに上がったことをきっかけに、仲良くなりました。フィールド上では堂々とチームを引っ張ってくれる姿に、いつも頭が上がりません。そんな彼にも意外な一面がありまして、最近別れた元カノには「陰キャ」扱いされていたとか、いないとか。他にも、詳しくは言えませんが、実は何かが被っていたとかないとか。それでも彼は、誰よりもラクロスが大好きで、暇さえあればNCAAの試合を観ている印象しかありません。そんな彼だからこそ、きっと熱い思いが込もったブログを書いてくれることでしょう。