【日記リレー2025 vol.8】「後悔しない選択」 ~岡亮太朗(4年/法学部政治学科/MG/慶應義塾高等学校) ~

大山からバトンを受け取りました、4年MGリーダーの岡亮太朗です。
大山とはよく遠征ついでに2人で旅をした思い出があります。
先輩後輩同期問わず、いつもニコニコして、んぽちゃむに似ているとよく言われる彼のことを嫌いな人はまずいないでしょう。大学では怪我に悩まされながらも、Aで主力として活躍する姿は本当に尊敬してます。ただ自分の欲に他人を巻き込もうとしてくるのだけは困ったものです。
また実は父同士が中学生の頃、同じクラスで出席番号が隣だったという大山。彼から日記リレーを受け取るのは運命を感じますね。
始めに、平素より弊部に関わってくださっている全ての方々に、心より感謝申し上げます。
組織の運営面に携わるスタッフの最高学年として、私たちが日本一を目指すことができるのはこの環境を支えて下さる方々、応援してくださる方々のお陰であることを、日々本当に強く実感しています。
私たちは全日本選手権優勝という結果でしか応えることしかできませんが、必ず成し遂げられるよう部員一同精進して参りますので、今後ともご声援の程よろしくお願いいたします。
1年生の時から楽しみに読んでいた先輩方の日記リレー、とうとう自分の番が回ってきました。
「俺らも来年書くのか〜」と、何も考えずに鵜沼家で話していた1年前がつい昨日のことのようです。
拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
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二度と後悔しない選択をする。
入部のきっかけは、塾高時代の後悔からだ。
塾高時代、1.2年生の頃は自主練量とわずかな武器だったクロスワークを評価され、上のチームに居させてもらうことが多かった。
本気でやっている自負だけはあった。けど怪我と才能を言い訳に、いつからか自主練は質なんてものは考えず時間だけを浪費するものになり、努力の方向性が正しいのか、今の努力で足りているのか、一切考えなくなっていた。
当然結果は明白で、個人としては最後のリーグ戦に出れず、チームとしても神奈川大学に敗北し、あっけなく引退した。
一選手としては毛嫌いしていた幹部たちともっとコミュニケーションを取るべきだったし、全くまとまりもなく誰も大学生に勝てるビジョンが見えていないあの年の塾高ラクロスは、チームとしても正直終わってたと思う。
この経験から、二度と後悔しないよう4年間を過ごすと決め、大学ラクロス部に入部した。
きっと誰もが同じだろう。最初は学生の頂点に立つ先輩たちを羨望し、想像していた「カッコいい」慶應ラクロスの部員であることを意識し、いつか自分が全日優勝する姿を思い描いて入部してくる。
「4年間というのは、人間を怠惰にするには十分な月日である」
尊敬する先輩の1人が仰っていた言葉だが、残念ながら選手、コーチ、スタッフどの立場でも当てはまる真理だと思う。
自分の中の最低基準は下がり続け、訳の分からない優先順位を作り上げ、気づいたときには今更どんな努力を始めても、入部当初に思い描いていた理想には届かなくなる。これはラクロスの実力に留まる話ではなく、部員からの信頼、自分にとっての努力水準、チームへの貢献実感等々、様々な面から滲み出てくる。
そして引退の瞬間、いつかのような後悔を繰り返す。
正直今の自分は、この後悔への恐怖が原動力かもしれない。
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長々と書きましたが伝えたいことは1つだけ。
「後悔しない選択か常に問い続ける」
ということ。
正直、4年間毎日を100%完璧満点に過ごせる人なんてほぼいないと思います。
もちろん自分なんてその代表例です。
ただ引退の瞬間、「全日本選手権優勝」という結果さえ掲げられれば、それまでにあった内省すべき一日なんて小さなものだし、捉え方によっては正解にすらなるかもしれない。
けれどこの目標があまりにも難しい。
ほとんどの一部校が学生優勝を目標にする中、今年度の全日優勝を明言しているチームは慶應と日体のみです。
世界でメダル争いをしている人たちが主力の化け物みたいな集団に、ラクロスに出会って数年の学生が勝ちに行く。この組織が掲げているのはとんでもなく難しく、想像するだけで心躍るような目標です。
当然こんな目標を達成するには、一般的な大学生が当たり前に持つ色々なものを犠牲にする必要だってあるし、時に厳しい選択を迫られる場面が数多くあります。
選手ならコーチ決め、スタッフなら各学年の仕事決めが代表的で、自分のやりたい気持ちを抑え、自分に出来る貢献に徹することができる人間が沢山います。本当に凄いです。
これら以外にも、日常の中の小さな選択でさえ、短い人生経験から決めるには難しいことが沢山あります。
4年生の同期たちは、この一年間で特に実感しているでしょう。
ただそんな中でも、「後悔しない選択」を出来ているか、常に問い続けて欲しいです。
これだけ言っておいて、じゃあ自分は何を基準にしているのか。
本当にありきたりですが、
「日本一を目指すに当たってプラスかマイナスか」
これに尽きます。
正直これをしっかりと意識し始めたのは、去年の夏期間頃からです。
凜大さんや先輩スタッフの方々と個人的に話す機会が増えて、自分たちが如何に狭い視野、低い視座で部活に取り組んできたのかを理解させられた。
多分、これを読みながら頷いてる同期たちも多いと信じています。
僕は同期スタッフから、稀に見る合理主義者とよく揶揄されますが、多分この考え方に縛られているからでしょう。
けれど日本一を掲げてしまっている以上、この判断軸をぶらす訳にはいかないと思うし、少なくともスタッフ組織の中においてはその選択を行うのが自分の役割だと思っています。
150人いる部員の誰かに嫌われるのは役職に就いたときから覚悟していたし、それでスタッフ組織が強固になって全日優勝できるなら全然良いとさえ思う。
「今のスタッフ組織には、日本一を目指す組織の当事者と思えているのか、分からないスタッフがいる」
これは先程とは別の、尊敬する先輩が仰っていた言葉です。
今シーズンはこの状況を変えたかった。
けれど多分今年もそんなに変わっていないし、これからも一定数は変わらないでしょう。
当事者意識に関しては外的要因の可能性もあるので、誰一人として批判できるものではないです。
ただ日本一を目指さないこと、目指す努力をしないことは、この組織において批判されても仕方のないことだし、人生で4年間しかない大学生活として考えると、退部することだって本人にとっては後悔しない選択の1つかもしれません。
けどこの日記を読んだ人たちの中で1人でも、
「このままのやり方を続けて後悔しないか?」
今一度、立ち止まって考えてくれれば嬉しいです。
最後に少しだけ、審判についてです。
先日試験に合格し、上級審判へと昇級させていただきました。
まだ感謝をお伝え出来ていない方に、この場を借りてご報告させていただきます。
そして後輩向けに、審判活動をお勧めしたい理由がいくつかあります。
1つ目は、スタッフの仕事の中でも、選手と同じくらいラクロスというスポーツに向き合えること。ラクロス自体への理解は、普段の業務にかなり活きてくるはずです。
2つ目は成長に上限がないこと。スタッフの中には、選手のように技術を高め続ける仕事があまりなく、モチベーションが途切れてしまう人も少なくないでしょう。ただ審判は努力次第でいくらでも上達の可能性を秘め、それがチームの強さに直結します。
最後は2つ目と近いですが、誰でも取り組めること。枠が限られていてやりたい仕事に就けていない、そんなスタッフも沢山いると思います。審判は平等に機会があり、外部派遣も資格さえあれば全員に応募の権利があります。
自分の中で確固たるバリューがなく悩んでいる下級生には、特にお勧めです。
感謝コーナーです。
MGの先輩方
こんなにも生意気で学ばない後輩を厳しく育てていただき本当にありがとうございました。同期の2人とは、「まじで今になってあの育成に感謝してる」ってしょっちゅう話してます。是非リーグ戦を見に来てください。
MGの後輩へ
本当に優秀な後輩たちに恵まれました。来年以降、何の不安もないです。
至らない点も多々あると思います。ただ2/1までは居座り続ける予定なので、それまでは力を貸してください。
スタッフの後輩へ
多分今年になって、ちょっと怖い先輩になりつつあると思います。たまに言われます。
けど1.2年生が管理してくれている膨大な備品やリストがなくなった途端、練習は一切回らなくなるでしょう。本当にいつも感謝しています。
1つだけ、お節介なことを言います。
ラクロスというスポーツをもっと好きになってください。
君たちは直接ラクロスをプレーすることは一生無いかもしれません。ただこの4年間を捧げるスポーツであることに変わりなく、単に體育會のスタッフではなく「ラクロス部のスタッフ」で良かったと思って欲しい。
試合を観まくる、色々な選手を知る、外部の活動に携わる、審判をする、手段は何でも良いです。ラクロスを好きになれば自分のモチベーションにもなるし、選手が求めることも今以上に分かってきます。
両親へ
幼少期からやりたい事は全部やらせてくれてありがとう。
引退したら色々と直接伝えたいので、あと半年間よろしくお願いします。
他大学のお世話になった方々へ
自分は審判やセカイクロスを通じて、割と他大学に友人が多い方な気がします。
本当に誰と話しても良い人ばっかりで、まぎれもなくラクロスを通じてお世話になった方々なのでここで感謝を述べさせてください。
同期スタッフたちへ
本気で言い争っても、全く関係値が悪化しない信頼がある最高の同期たちです。
1年生の頃は互いに遠慮していた時期があるけど、やはりそれが無くなったのが4年間一緒にやってきた証なんだと、最近つくづく思います。
引退したら個別に感謝を述べたいので、その時まで待っててください。
同期全員へ
最低で最高な同期たちの好きな部分は挙げたらキリがないですが、大所帯の部活において一定数生まれがちな「本気でやらないのがかっこいい」という風潮を一切感じない、それぞれの役割を果たして日本一に向かっているこの代が大好きです。先ほど嫌われてもいいと書きましたが少し嘘です、同期とは最後まで仲良く笑顔で優勝したいです。
ただこの3年半、僕の中で一番の思い出はあすなろ優勝の瞬間から塗り替えられていません。恐らくこの代で全日優勝する以外、あの瞬間を超える手段は無い気がしています。
開幕戦の日、「慶應は負けねえから」 と池田が言っていました。
池田を信じて、俺らは全力でやる事やって4年間で最高の同期飲みをしよう。
1人1人に書きたいけど、須田くんの催促がうるさいので2/1に書くことにします。
須田がごめん。
次は影山です。
その風貌から入部当初は怖い印象を持っていましたが、みなとの原付で遊んでいた際に影山車に衝突し壊してしまった一件から距離が縮まってとても嬉しいです。
4年生になってから彼はBのDFコーチを担っており、選手に寄り添いチームを鼓舞する姿は本当に熱く、心から尊敬しています。
悪事は程ほどにね。あと半年間よろしく!