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日記リレー

【日記リレー2023 VOL.15】「苛まれる事」~中塚敦仁(4年/環境情報学部/C/慶應義塾ニューヨーク学院)~

寺田からバトンを受け取りました、中塚敦仁です。
寺田はアーセナルの時からずっと怪我に悩まされながらもこれまでずっと努力を続けてきたすごいやつです。彼がFOを選んだ時にはその覚悟が伝わってきた事を未だに覚えています。これから始まる短いリーグ戦の期間、引退までの少しの時間で彼が報われることを願うばかりです。
それはそうと寺田は女の子に対して奥手なのがめちゃカワイイ。これを読んでいる独身女性のそこのあなた!優良物件ですよ?

さて、ついに自分の日記リレーの筆を執るときがやってきました。4年前にはただ単純に面白そうと興味半分で眺めていたものが、実際に4年生になって書くとなってみると多くの人の目に留まると理解した瞬間から手の震えが止まりません。正直選手として書けばいいのかコーチとして書けばいいのか曖昧で文章を書くこともただただ苦手。もう全消ししてから最初から書き直すのも3回目になるのでいい加減これで決めたいなと思います。人を笑わすのは苦手なので面白い文章は残念ながら期待しないでください。面白い文章は我らがお笑い担当、赤い悪魔こと森谷くんの日記を楽しみにしていてください。

考えに考えた末、僕は選手を引退した際に少しだけアツいノートをBグルに載せてたくさんいいねを貰った覚えがあります。なので今回は愛する我が子たち、アーセナルの面々に対して僕の想いをつらつらと綴る時間にしようと思います。アーセナルではない方から見ると、何を出来てない人間が熱く語っているんだと見えるかもしれませんが、大真面目に執筆していますので今回だけは大目に見てやってください。

アーセナルの子たちにはあまり僕という人間を曝け出せてない気がしています。つい先日、あつさんってゲームするんですか?意外です、といわれました。心外ですね。いい機会なので僕が腹の中でどんなことを考えているのか伝えられたらと思います。

突然ですが、これまでどんな葛藤に向き合ってきましたか?

僕の場合、NYで多少なりともプレー経験のある僕がアーセナルでの入部をしたとき、上のチームに上がるために何をすればいいのか考えたとき、残るためには何をすればいいのか、どうやってチームの勝利に貢献するのか、今チームに僕が求められているのは何か。全ての行動に葛藤の二文字が付きまとい、悩み続けました。そのどれもが僕という人間の成長に繋がってくれたと思っています。ラクロス部に入部しなければ良かったと考える事も多々ありましたがその半面、入部して良かったと考える事も多くありました。僕は4年前に入部を選択して良かったと思っています。

ですがこれまで様々な葛藤に想いを馳せた夜、何度だって不安に殺されそうになった事も事実です。4年の皆も、それ以外も、なんならアーセナルの皆ですらもう経験してるんじゃないでしょうか。明日の自分がどんなプレーをして、それをどうコーチやチームメイトに評価されるのか、不安で不安で仕方なくなるんです。次の日起きたらチームが変わってるかもしれないし、サマー前までαだったのにサマー当日にα’にされちゃったりするかもしれないし、そもそも評価が変わらなくて試合に出してもらえないこともあります。

でもこの経験はきっと体育会でも人事が部内に於ける順位順に並ぶ慶應体育会ラクロス部ならではでしょう。厳しい練習環境に身を置いた学生が自分たちのチームを作り上げていき、そしてその目標が日本一である所以なのです。

3年とちょっと評価される側に立ち続けた僕が思ったのは、この不安というのはこれまでの生活で自分が100%努力できていたかと言う「尺度」からきています。自分が後ろめたく思っている事や努力をしなかった分だけその不安は大きくなっていきます。僕はこれを大学三年生の時に一番痛感しました。春にAチームに呼ばれて、先輩からへたくそと笑われた次の日にBに落とされた夜、本当に一睡もできなかった事は今となってはいい思い出です。

結局人事というのは自分のポテンシャルにこれまでの努力量が掛け算されるものだと思っています。それくらいAチームというのはすごい人たちが集まっている場所だと思うし、4年生、最後に少しではありましたが素晴らしい同期と最高の後輩達とプレイすることができた事を誇りに感じています。是非厳しい環境に身を置いている事をプラスにとらえ4年間で何を得ることができるのか、最後まで探求してほしいと思います。何も見つからない4年間だったら文句言ってきてください。一緒に酒でも飲みましょう。

そうして選手を引退した今はその「葛藤」を作り出さなくてはならない立場にあります。
いままで葛藤にどう立ち向かうのかを考えていたばかりだった僕が、ある日を境に葛藤を抱えぶつかっていくアーセナルの指導者としてチームを引っ張っていく必要がありました。
幸い元々アーセナルには加賀さん、大海、厚東の3人がいて、部員を集めるところからではなくある程度クロスが扱えるようになった6月という時期から関わることになりサマーが目前に迫っている、そんな中からのスタートでした。

アーセナルの持つ悩みは確かに僕がアーセナルの時に持っていた今だと些細な意識点のような物ばかりでそれを言語化するのはとても難しいと感じています。ディフェンスのクロスの位置を確認するとか、地面を見ないとか、ロールは3歩とか。些細な事を少しずつ修正してプレーの完成度をあげていく過程を見るのはもどかしくもありますが拾った子犬の成長を見守るような楽しさがあります。

ですが最近そんなかわいい教え子たちの元気がなかったりします。落ち込む理由は様々だとは思いますが暗い一本道、先が見えない中でただただラクロスに向き合い続けるのはあまりにも酷だと思います。そもそも44でラクロスのうまい下手が決まって試合に出れるか出れないかが決まるなんてあり得ないなと思いませんか?今自分の人事が下にあるからといって落ち込んだりモチベーションを落とすのだけはやめてください。僕がどう思って君たちと毎日接しているか、もう少しこの後詳しく話せたらと思います。

ここ最近アーセナルの皆のうち何人かから「やめたい」という相談を受けることがあります。

誰が言ったんだとかそんなどうでもいいことをあまり気にしないでほしいですし、やめたいと思っている誰かを責めているわけでもありません。

別にその考え方自体は間違っていないと思うんです。4年間を思い返してみるとやめたいと思ってしまうことなんて何十回だってありました。ラクロス部に入部しないでサークルで遊んでみたかったとか留学に行ってみたかったとか、もっと就活だけやりたかったななんて思いもしました。でも毎回天秤にかけてみるんです。ラクロス部でこれまでに得られた事やこれからのラクロス部で得られるだろう経験、仲間、感動なんて物は他では絶対に味わうことはできません。試合前の高揚感や試合で点を決めて喉が枯れるまで叫んで喜ぶなんて、日常生活で経験できますか?後でビデオを見返してその時のせっまい視界を思い出して感傷に浸るなんて事もありません。全部がラクロス部でしか経験できない唯一無二なのだと思います。
そして君たちアーセナルが立っているのは大学4年間のうち、まだ5か月やそこらです。これから死ぬほど悔しい思いをして後悔をして葛藤して行く中で経験値を稼いで一人前の選手へと成長していきます。今ある実力差なんてないようなものだと思ってください。
君たちならきっとできると信じて、これからも色々なことを卒業までに教えていきたいと思います。

僕にも新たな地で大きな目標ができた事を嬉しく思っています。アーセナルの皆を笑顔で送り出したい。一緒にウィンター優勝しようね。

今実力があると自分で理解している選手へ

これはアーセナルの君たちの中で自分がそこそこうまいと思っている選手に向けてです。
正直に言うとまだまだレベル感としてはアーセナルの中でちょっとうまいくらいだと思います。圧倒的にうまい選手がいないとも言えます。この間池田がアーセナルの練習に振替で来た時に1年後に試合に出るならこのレベルじゃないとダメなんだと痛感したんじゃないかな。これから君たち、今実力があったり、元々フィジカルが強かったりする選手はアーセナルの中でのびのびプレイできる分、上のチームに呼ばれたりした際にモチベーションが崩れやすかったりします。俺って下手なのかなとか思っちゃいます。そりゃそうです。3年、4年とプレイしてきてる先輩や塾高生に囲まれて言いたい放題言われます。理不尽なことも言われるし単純な悪口だって言われます。今年の2月くらいに池田は落合に強く当たられて泣かされてましたが、これは秘密です。そういう未来が確実に来る事は僕から先に伝えておきます。だからこそ今のうちに将来たくさん吸収する事のできる基礎作りを徹底してください。どんなメニューも将来君たちがプレーするチームの半分も強度がないことを覚えておいてください。66のオフボールもアーセナルで教えられることは基礎的な事ばかりです。簡単なボールダウン、テキトーなパス、それら1つ1つが将来、近い未来の自分の足を引っ張ります。今できる丁寧かつ堅実なプレーを継続してプレイできる選手が求められ、逆サイにノールックで出せる選手像は今は求められていません。ホットを一つ飛ばす、ネクストに確実に叩ける、かけどころで強く掛けられる、そんな基本ができる選手が求められます。今一度自分の持つ将来像と話し合って目標の再設定を行ってください。きっとまだ遅くない。期待しています、頑張ろう。

今実力が無くて他の選手に追いつこうと必死になっている選手へ

多くの選手はアーセナルの中で実力差がついてしまいその実力差と入部時に抱いていたギャップとでなかなかモチベーションを保ちづらいのかなと思います。入部時にはスタートラインがみんな一緒と言われて入ってみると実際にスタートラインに立った際にこれまで培ってきた物が違ったりして急に現実を突きつけられたかと思います。そしてこれからもそういった劣等感を感じながらしばらく過ごすことになると思います。もしかしたら劣等感を感じたまま引退、なんてことだってあるかもしれません。まだ来年のこととか全くわからないけどアーセナルの選手の多くはCチームに配属されて基礎を学ぶ期間が続きます。こうなると自分の同期でうまいやつがAやBで練習を重ねているのにとか、差がどんどん広がっていくんだなとか感じてしまいがちですが、さっきも言った通り、思ったより君たちの間に差はありません。ただちょっとパスがうまかったり視野がちょっと広かったり、そんな些細な事ばかりなんです。だからそこで立ち止まらずに努力を続けてください。動画を見返さなくなったりミーティングでうたたねしたり、壁当ての数がアーセナルに入ったばかりの時より少なくなってたり筋トレをさぼり始めたりしてしまった瞬間に初めて差が生まれます。君たち全員ポテンシャルはあります。まだ見えていないだけで僕たちが見つけきれなかった隠れた才能だってあるかもしれません。努力を怠らず前進してください。それでもうまくいかないなと思ったら連絡してください。きっと力になります。その代わりそれまでは歩みを止めないこと、これ一点だけ約束してください。

2年後や3年後、何かに行き詰った選手へ

2,3年後に覚えてくれているかはさておき、チームを引っ張らなくてはならない立場になった君たちに向けて記しておきます。きっとアーセナルの時のような漠然な悩みではなく一つや二つの大きな悩みにきっとぶつかっていますね、わかります。4年という短いようで長い時間ラクロスに触れ、ラクロスというスポーツを知り、そして成長して行く中で臨界点に到達してしまう瞬間があります。自分の限界を一度感じる、という表現があってるのかな。
それがオフボールなのかオンボールなのかはわかりませんが死ぬほど悩んでいることと思います。どうやったらうまくなるんだろう、どうやったら上のチームにいけるんだろう、そうやってずっと考えて考えても答えが出ない問題を抱えているのかなと思います。参考になるかはわかりませんが、僕という人間の大学4年間から学んだ事をここで伝えさせてもらうと、悩んでわからない事があったらその場から一歩離れることを意識してください。
一歩離れて自分を俯瞰してみる、そして今見えている課題のほかにどんな問題を抱えているんでしょうか。例えば僕の場合は11が弱いという弱点で悩んだ後、体をあててから離れてショットを打つというプレースタイルに体幹と体重が伴っていないことに気付きトレーニングの時間量を圧倒的に増やした事で安定感が増したといった事がありました。こんな簡単な事でしたが気付いて実行するまでに長く時間を使ってしまい後悔した経験があります。うまい選手はここを見つけるのが早く、また行動に移すことができるのだと思います。
これだけ言っておいて何が言いたかったのかといえば、何かをやってみて失敗することは良いこと、ということです。何もせずに立ち止まる4年間だけにはしないでください。僕の反省でもあります。

こうして僕の想いを綴る時間に終止符をうちたいと思います。何かアーセナルで頑張っている君たちの心に残せたら、僕の4年間の葛藤、そして何十時間も悩んでこの日記を書き連ねた甲斐があったのかなと思います。
君たちがユニフォームを着て試合に出場し、日本一を獲る姿を見せてください。来年以降も慶應の試合を見る理由ができました。楽しみにしていますね。

お決まりのようにはなっていますがこういう場でないと話すことができないので、これまでにお世話になった方々に向けてメッセージを送りこの場を締めたいと思います。

まず家族へ
お母様はあまり友達が家に来たからといってはしゃがないでください。恥ずかしいです。でも4年間洗濯を防具がくさいといいながらもしてくれましたね。普段から助かっています、ありがとう。お父様はこれを読むかどうかもわかりませんが早慶戦は観に来てくれましたね。資金面で4年間本当にお世話になっています。就活頑張りますね。弟はついにラクロスを始めましたね。何年後かに大物プレイヤーになってくれるんじゃないかと期待しています。楽しみだね。

同期へ
飲み会にはいけません。なぜなら遠い場所で胸躍る冒険をしているからです。嘘です。気難しい同期ばかりだし僕もその一員だと思うんだけどなんだかんだ仲がいいと思っています。合宿で死んでる時にポカリ買ってきてくれるやさしさを持ってたり悩んでるときに最高のアドバイスをくれたり。一人一人としっかり思い出があって卒業するのが悲しいです。僕だけ24歳学生を続けます。

加賀さんへ
嫌なこと一つ言わず突然コーチになる僕を受け入れてくれましたね。本当にありがとうございます。普段から選手に対する熱量は加賀さんを見習わなくてはならないなと思う反面、見習いすぎて加賀さんの無敵のバイタリティに自分を重ね合わせてしまうと溶けて無くなってしまいそうになります。これから短い期間ですが加賀さんから学べることを学びながら一緒に強いアーセナルを作り上げましょう。色々とお手数おかけしますがこれからもよろしくお願いいたします。

たつや、大海へ、牛山へ
二人とも普段から本当にありがとう。今アーセナルで楽しくやれてるのは二人のおかげです。二人とも将来が有望過ぎて今一緒にコーチをやっている事が少し虚しくなる時があります。その分頑張ろうと自分を奮い立たせる事ができるのは二人がすごい人間だからです。
ただ達哉の下ネタだけはそろそろ度が過ぎ始めていて僕と大海でも受け止めきれなくなってきています。スケールが違うんだよな。
これから短い期間だけど最後までアーセナルコーチとして、同期としてよろしく。
牛山は俺らの代のアーセが命をかけて続けさせたけど間違いじゃなかったと思う。本当にアーセの為に毎日練習に来るししっかり教えてくれる。アーセの裏の顔として卒業まで一緒に頑張ろう

森谷へ
東京からいなくなったら俺本当に暇になるよ。来年からはメル友だね。

榊田さんへ
突然で申し訳ないです。読んでもらえてるかすら怪しいですが一つこの場で謝らせて貰いたいのは僕の背番号、4という素晴らしい数字を選手としてリーグ戦の場で輝かせることができなかったことです。榊田さんの想いに応えきれなかった自分を直視できないままここまで来てしまいました。申し訳ありません。
僕が次に渡す後輩がきっと4番を慶應不動のAT番号にしてくれると思います。お許しください。

そろそろ皆さん期待の若葉ねえさんの紹介に移ろうと思います。

若葉といえば「ありがとう」を言うのが世界一あざといというイメージがありますね。アーセナルからは絶大な支持を得ていて若葉さんの彼氏が最近商社に内定したことを悔やむ選手が後を絶ちません。どうやったら商社内定できるんですか?と聞かれてもこっちが聞きたいくらいです。ノンデリが多くて困ったものです。

冗談はさておき普段からマネージャーのトップとして杏と二人三脚で今の慶應ラクロスを支えてくれています。彼女がどんな事を想い、マネージャーとして何を考えてきたのかの本音を知ることができるいい機会だと思います。若葉のほんわかした雰囲気を一度忘れて、文章にしっかりと目を通してみてください。

若葉よろしく!

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