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日記リレー

【日記リレー2021 vol.36】「足りない」〜八星輝(4年/法学部/DF/#22/慶應義塾高等学校)〜

集中していると音が聞こえなくなり、名前を呼んで一度目で振り返ったことのない田村から最後のバトンを受けとりました八星です。5度くらい呼んでようやく振り返ったと思ったら、口を開けて「あ?」と聞き返してくる彼の姿は時おり、とてつもない憤りを感じますが、愛おしくもあります。

1年生の頃からなんとなく書きたくないと思っていた日記リレーもついに書かなくてはいけない時期になってしまいました。

知っている人も多いかと思いますが、僕は自分の考えてることや感情を表に出すのが苦手で、今回も文章と言う形でどれだけ伝わるかは分かりませんが、徒然に綴ってみようと思います。拙い文章にはなりますが、どうかご容赦ください。

まず始めに、平素より弊部に関わってくださっている監督方、コーチ陣の方々、OBOGの方々、ラクロス協会の方々、本当にありがとうございます。主将という立場を務めさせていただいてから、この部活は本当に多くの方々に支えられて活動ができていることを改めて感じさせていただきました。

さてここからが本題なのですが、原動力について何人もの選手が書いてくれていたので、僕が4年間なんとなく感じていた原動力というのか考え方を紹介したいと思います。

それは今している努力は常にいつもちょっと足りないと思うことだと思います。

他の誰かからしたら僕の努力なんて全然足りてないと思われるかもしれないけど、それは一旦置いておいて「考え方」の話です。

だから、人と比べて云々の話ではなく、自分の中での話です。僕は全然足りないと思うと途方に暮れてしまうタイプなので、常にちょっと足りないと自分に言い聞かせています。どんなに練習後ウエイトや壁あてして動画見てスカウティングして自分の時間がない日も、何もせず寝てしまった日でも少し足りないと思うのです。そもそも僕は努力という言葉が死ぬほど嫌いです。本気で向き合うと反吐が出そうなほど苦しくなるからです。これだけ努力したからいいんだとかは考えず、努力なんてただの過程にしかすぎないのだから結果が現れる全日決勝のその日までは常に足りないと考えるのです。例えるのなら人参を顔の前に吊り下げられて走り続ける馬の状態です。いつまで経っても追いつくことはないです。でも確実に走り続けることができます。それは本当に苦しいことで、出来ることなら今すぐ引退して楽になりたいものです。でも、その潜在的な意識が原動力というにはあまりにもおこがましい、もっとなんかこう襟首を誰かに持ち上げられているような強制力になって自分たちを突き動かしていくと思うんです。要は満足するなということです。これは、ただ我武者羅に努力をしろということではないです。我武者羅にやったところで一生満足しない仕組みなので、足りないという部分は変わりません。しかし、こういう考え方をしていると、自分がしている努力に対して疑いの目を向けることができると思います。どうせいくらやっても足りないのだからせめて全日までの最短距離を走ろうと。こうして考え続けることで我武者羅にやっていることより確実に質のいいものが出てくると思います。本当に今やってるそれは意味があるのか?もっとこうした方がいいのではないか?練習こなしているだけなのはもったいなくないか?それが岡の書いてた「考えなければそれは努力ではなく作業だ」ってことだと思います。みなさん慶應生で僕より頭のいい人だらけだと思うので、常に思考をやめないでください。あ、でも効率重視でサボることに一生懸命頭を使う人もいますが、全日優勝のために頭を使うのです。そこのゴールだけはブラさないでください。目標が遠すぎて見えない人は直線上にある近目の中間目標をたくさん作ってみるのもいいでしょう。

ここまで読んだ人はこの人こんな消極的な理由が原動力だったのかよと若干引いてるかもしれないですけど、もちろんそれだけじゃないです。慶應ラクロスの同期先輩後輩が好きだからというのが一番の原動力です。この仲間たちと絶対に日本一をとりたいという気持ちが最終的には突き動かしています。そうじゃなかったら昔先輩からいただいていた罵倒にも近い叱咤激励で心が折れて逃げ出していたと思います。当時は逃げ出したくなる時もありましたが、今では本当に感謝しています。本当です。今ではちょっとやそっとのことではメンタルが折れないほど逞しくなれたと思います。

お気づきの通り僕は結構ネガティブな性格です。就活で自己分析なんかした日には吐き気がするほどネガティブな言葉が出てきて自分でも驚きました。でもネガティブな性格だからこそいいこともあると思います。常に最悪の想定ができることです。「かもしれない」運転ってやつです。

そんな自分の唯一の武器はあらゆる想定を考えようとすることだと思います。想定外のことは本当の意味で『あらゆる想定』をすれば起きないのです。

そんなことは麻雀で相手の手を一点読みするくらい不可能なのかもしれないけれど、考え続けることに価値があると思っています。

考え続けるとは、ただ漠然と考えるのではなく、常に相手の立場に立って考えることです。例えば練習の動画を見るときに、自分ならこうする「かもしれない」とか、前にこうしてきたからここにパスする「かもしれない」という視点で血眼になりながら見ることだと思います。そういう考え方をしていると自然とOFの視線や体の向き、自分の首振りのタイミングなど本当に細かいところまで目が行き届くようになると思います。考え続けていると相手のパス先やオフェンスの1on1の掛けどころなどが少しずつ『想定内』の範疇に収まってきます。

これはプレーに限った話ではなく、運営面でも、もしリーグ戦がなくなったらどう引退するかとか、リーグ戦がなくなったら後輩に何をどういう形で残そうかとかを本気で考えていたりもしてました。

こんな偉そうに考えてると言っても、幸四郎の奇想天外なパスには今だにやられるし、ファルコンズにはトリックプレーで失点するし、全然まだまだ『足りない』です。

それでも『想定外』を一つずつしらみ潰しにして行って、社会人に勝って真の日本一を取るという22年間達成出来なかった『想定外』を『想定内』の現実にすることが僕の使命だと思います。

最後に

1年生へ

まずはラクロスを楽しんでください。そして誰にも負けない武器を作ってください。この時期に得意だったことは多分4年間の武器になります。そして、アーセナルもB,Cチームに振り分けられていますが、とにかく上のチームを目指し続けてください。このチームはグランドや様々な事情で上のチームから練習環境が良くなってしまいます。あと圧倒的に違うのは、上のチームにいる選手と練習できるという環境です。上のチームの選手を相手にすると、自然と思考が深くなります。普段されない裏どりをしてくるOFがいるから、普段されないカットをしてくるDFが生まれると思います。逆も然りです。こうして毎年高い思考や技術レベルを継承し続けていくことが今後の慶應ラクロスの強さの鍵だと思います。僕はたまたまパンさんのおかげで早くからAチームに呼んでいただき、早くから上手い選手とラクロスできたことが何よりの財産だと思っています。君たちの同期の健くんはとても上手いです。健は考えてることを喋ってくれないかもしれないけど、必ずそういう選手たちと同じチームで練習して感じ取って盗み取ってください。そのために、どんな手段を使ってでも上のチームにあがろうとしてください。

2年生へ

個人的には2年生が一番伸びる時期だと思います。今年のAは2年生をあまり入れられていないですが、まだチャンスはあります。ここで決して腐らないでください。2年や3年でモチベーションを下げて後々後悔している人を何人も見てきました。武器を磨き続けてください。

3年生へ

おそらく一番純粋にラクロスが好きな代だと思います。口では一丁前に4年生に尊敬してますとか言ってるけど、完全に舐めてるのはひしひしと伝わってきます。別にそのままでいいです。どうかそのままラクロス好きで居続けてください。君たちがいないとチームは勝てません。頼りにしています。

同期へ

特にここで言わなくても、引退してコロナが明けたらお酒と一緒に本音を吐き出したいと思います。とにかく心から感謝しています。

学生コーチへ

チームのためを思い、選手からコーチに転身したことに何より尊敬しています。昨年の学年mtgで中村が言った「俺がコーチになったということを忘れないでほしい」の一言は今でも鮮明に思い出せるほどはっきりと覚えています。この前一年生試合を見に行った時癖はあるものの立派なコーチになっていて嬉しかったです。今年コーチをやっている学生たちは、みんな選手の道を自ら断ってコーチになった人たちです。当たり前のことだけど選手はそのことを忘れず、結果で応えたいと思います。

スタッフ陣へ

ここまでかなり選手向けのことを書いてしまいましたが、最後にスタッフへの感謝を述べたいと思います。今年度はスタッフが選手と言い合える関係を目指そうということで発足しましたが、どうでしょうか?僕ら幹部陣が頼りないだけかもしれませんが、積極的な提案や時には辛辣な意見など言ってくれる人には大変感謝しています。また、後輩スタッフ陣もただでさえ膨大な仕事量があるのにも関わらず、審判mtgなどを通して審判のレベルが例年に比べてはるかに上がっていて嬉しいです。新しいことにチャレンジする姿勢はとても尊敬しています。

必ず日本一とりましょう。

以上で慶應ラクロス史上最も主将らしくない主将の日記を終えたいと思います。

稚拙で冗長な文章を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

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