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試合戦評

【2023年度つま恋スプリングカップ 結果報告】

こんにちは!
1年ASの糟谷凌玖です。

今回は、2/27~3/1の間に行われた2023年度つま恋スプリングカップ(※以下つま恋)の試合結果を報告させていただきます。

今大会は、これまで1年間別々にプレーしてきた塾高、NY校ラクロス部出身の経験者組と、大学からラクロスを始めたアーセナル組が一つのチームとなり、学年全員で戦う初めての舞台でした。慶應は過去同大会を2連覇しており、3連覇への期待と重圧がかかる中、自チームの練習に加え何度も学年練を重ね、お互いを高め合いながらチーム一丸となり挑んだ大会となりました。

予選ブロック一試合目
対関西学院A
3-0で慶應の勝利

予選ブロック二試合目
対東北B
2-1で慶應の勝利

予選ブロック三試合目
対京都産業
3-1で慶應の勝利

予選ブロック四試合目
対一橋B
5-1で慶應の勝利

予選ブロック五試合目
対名城
3-2で慶應の勝利

準々決勝
対立教B
1-1の引き分けにより、コイントスにて慶應の勝利

準決勝
対名城
4-1で慶應の勝利

決勝
対日体A
1-5で慶應の敗北

結果準優勝となり、優勝することは叶いませんでした。

まずは予選ブロック。予選1位通過に向け、負けられない戦いの初戦は関西の強豪、関西学院Aチーム。試合独特の緊張感が漂う中、フェイスオフを迎えます。しかしさすがは大学王者慶應の選手たち。そんな緊張感などものともせず、青木(MD#67)、中西(MD#13)らの活躍により、終わってみれば3-0と相手を圧倒し初戦を勝利で飾ります。この勝利で波に乗った慶應は、初戦の勢いそのままに二試合目の東北B戦、そして二日目に行われた予選三試合目も、池田(AT#90)、関根(DF#57)らを中心に、安定した試合運びを見せ予選ブロックを全勝で突破し、危なげなく決勝トーナメント進出を決めます。

そして迎えた準々決勝。
1Q最初のフェイスオフは鈴木(FO#33)が惜しくも競り負け、相手ポゼッションから始まります。
試合は序盤。いきなり相手にフリーでスタンシューを打たれますが、予選からスーパーセーブを連発してきた松本(G#93)が確実にセーブします。しかし前半4分、試合開始からの流れを掴んだ相手の裏1on1からまくりショットを決められ先制点を許します。

どことなく嫌な空気が流れる中、スコア後のフェイスオフからの混戦グラボを増田(DF#80)が掬い切り、慶應ボールとします。1Qの内に追いついておきたい慶應。途中相手のイリーガルプロシージャーにより30秒のエキストラマンオフェンスを獲得しますが、相手DFの鉄壁の守りを崩すことが出来ず、ポゼッションを奪われチャンスから一転、ピンチを迎えます。しかし水口(DF#20)らの決死の守備が光り、最後は再び守護神松本(G#93)がゴールを死守。相手の追加点を許しません。

意地でも追いつきたいOF陣は前半11分、山田(AT#0)がその強靭なフィジカルを活かした1on1から、鮮やかなジャンプシュートを決めると、感情を爆発させフィールドには歓喜の雄叫びが響き渡ります。
失点後の嫌な流れを払拭した慶應は、勢いそのままに勝ち越したかったものの、相手ゴーリーの好セーブに阻まれ、追加点は奪えずに同点のままハーフを迎えます。

慶應、立教共にピリつく空気感の中、2Q開始の笛が鳴り響きます。増成(FO#97)がフェイスオフに勝ち切り、細田(MD#42)がショットを放ちますが、またもや相手ゴーリーに阻まれます。この後も大山(MD#87)らが果敢に攻め入るものの、相手守備を崩す糸口を掴めず、確実に相手OFへとボールを繋がれ慶應は長時間のDFを強いられます。
徐々に時計の針が進むにつれ、DF陣にとって体力的にも精神的にも苦しい時間が続きます。しかし日々の練習で洗練された組織DF、そして増田(DF#80)の華麗なボールダウン、影山(DF#81)の見事なグラボ、松本(G#93)の異次元のセーブといった圧倒的な個人技術によって、相手の猛攻をことごとく無に帰し慶應ゴールを守り抜きます。

試合は終盤。次の1点が雌雄を決する戦いの中、慶應OFは封じられラスト1分で、この試合最大のピンチを迎えます。しかし相手の緩いショットを見逃さなかった松本(G#93)からパスがつながり、最後は石川(DMF#27)が3人に囲まれながらも意地のランクリアを成功させたところで2Q終了の笛が鳴り響き、準決勝をかけた戦いはサドンデスへともつれ込みます。

1点決まれば即終了のサドンデス。異様な雰囲気がフィールドを取り巻く中、フェイスオフを奪われ相手ボールとなりますが持ち前の組織DFで対抗する慶應は開始4分、相手のパスミスを逃さず、関(DMF#28)が泥臭くグラボを勝ち切りOFへボールを託します。

すると開始5分、大山(MD#87)による相手3人をかわす神懸かったダッジから、右下の林(AT#48)がまくりシュートを放ち、スコア!と思われベンチの盛り上がりは最高潮に達しますが、不運なことにこのショットは慶應のクリースバイオレーションにより無効とされてしまいます。
試合はサドンデス前半終盤、再び相手にポゼッションを奪われ左横からの強烈なバウンシューが慶應ゴールを強襲しますが、前半終了を告げる笛に奇跡的に救われ前半をイーブンで折り返します。

全てが決まるサドンデス後半。円陣を組み直し全員の気持ちを一つにして最後の6分間に挑みます。試合は慶應のDFから始まりますが、現在Aチームで活躍する石川(DMF#27)、関(DMF#28)が全身全霊のDFで相手の1on1を何度も完封。確かな実力を見せつけ、一切の隙をも与えません。すると痺れを切らした相手のオフサイドを誘発。必死の守備が実り、長時間に渡る猛攻を凌ぎ切ります。

DF陣の奮闘に是が非でも応えたいOF陣は後半5分、中西(MD#13)が神速のスタンシューを、終了間際には池田(AT#90)が完璧なまくりシュートを放つも、当然一歩も引かない相手の驚異的なセーブに苦戦し、試合を決めきれないままサドンデスが終了します。

同点で終えた準々決勝。慶應の運命は関根(DF#57)のコイントスに全てが委ねられました。フィールドはかつてない緊迫感で張り詰めますが、次の瞬間勝利の女神は我々に微笑み、運すらも味方につけた慶應が見事準決勝進出を果たします。

準決勝の名城戦は1Q開始早々、ファウルにより慶應のマンダウンディフェンスから始まると、1人少ない状況の中、そのまま鋭いスタンシューを浴びまさかの先制点を献上します。

序盤から1点を追う展開となった慶應ですが、増田(DF#80)が並外れた反射神経で相手のショットをカットすると、この試合初めてのOFへと持ち込みます。準々決勝からのDFの粘りと頑張りに何としても「スコア」という結果で応えたいOF陣は、パス回しから中西(MD#13)が得意の右手スタンシューを突き刺し、見事に同点とします。
慶應OFの勢いは止まりません。山田(AT#0)、細田(MD#42)らが鋭い1on1、卓越したクロスワークを魅せ、さらにピックや出遅れを利用した多彩な組織OFで相手に1秒のポゼッションすら与えません。完全に主導権を得た慶應は開始8分、池田(AT#90)が鮮やかな裏1on1からまくりシュートを決め、勝ち越しに成功するとその後も終始ペースを握り続け、1点リードで試合を折り返します。

続く2Q、増成(FO#97)がフェイスオフを獲得しますが、すぐさま相手に奪われます。
得点差はわずか1。全く油断できない展開が続きますが、影山(DF#81)の鋭いチェックや、関根(DF#57)の高校時代より何度も見せてきたパスカットによって、相手のあらゆるOFを断ち切ります。
執念深くゴールを守るDF陣に対し、三点目を取り試合を決めに行きたいOF陣も再び輝きを魅せます。個人技術もさる事ながら、クリアライドを綺麗に嵌め、チェイスやグラボも確実に拾い相手を圧倒します。そしてタイムアウトを経た後半9分。信じられないキープを見せた大山(MD#87)からパスを受けた青木(MD#67)が、弛まぬ努力から生まれたお手本の様な左手ランシューを相手ゴールにねじ込み、点差を2とします。

スコア後、30秒のマンダウンディフェンスを含む、2度の危機が訪れますが、松本(G#93)の大会ベスト12にふさわしいプレーにより窮地を脱します。全選手が目覚ましい活躍を遂げ、攻守ともに素晴らしい試合運びで勝利の足音が聞こえてきた後半15分。相手のファールでエキストラマンオフェンスを獲得した慶應は「エース」池田(AT#90)が軽やかなダッジから自身今大会5点目を叩き込んだところで、試合終了。
4-1で名城を下し、決勝への切符、そして3連覇への挑戦権を掴み取りました。

決勝戦、相手は日体Aチーム。3連覇を目前に、間違いなく今大会最大の壁が立ちはだかります。最初のフェイスオフを取られ、日体ボールから試合は始まります。1on1やフィジカルもこれまでとは一味違う相手に慶應は苦戦を強いられますが、石川(DMF#27)、関(DMF#28)のAチームコンビが必死に相手に食らいつき、最後の砦松本(G#93)もセーブを連発しゴールを割らせません。

こうしてボールを繋いだ前半6分、慶應OFが躍動します。右上でボールを受けた青木(MD#67)が1on1を仕掛け、相手を置き去りにすると、放たれた右手ランシューは鮮やかな軌道を描きゴールへと吸い込まれて行きました。
この流れに乗って追加点を狙う慶應でしたが、フェイスオフを奪われまたもやDF時間が続きます。固い守りを見せた慶應DF陣でしたが、一瞬の隙をついた相手のクリースパスからまくりシュートを決められ、試合を振り出しに戻されると直後の前半8分。再び相手ボールとされると、右上からジャンプシュートを決められ、逆転を許します。

やはり一筋縄にはいかない決勝戦。慶應は増成(FO#97)のフェイスオフからOF時間を作るものの再びボールを奪われ、無情にも3失点目を喫します。
その後も押し込まれる展開の中、影山(DF#81)が混戦グラボを勝ち切りピンチの芽を確実に摘みますが、結局相手DFの強固な守備を前に流れを引き寄せきれず、2点ビハインドで1Qを終えます。

運命の2Q。泣いても笑ってもつま恋最後の15分が始まります。
何としてでも逆転したい慶應でしたが、何度もOFを仕掛けては止められ、幾度となくピンチを迎えては防ぎ、息もつかせぬ一進一退の攻防が続きます。
次に試合が動いたのは後半5分。慶應のマンダウンディフェンス中にトップからスタンシューを打ち込まれ、スコアを1-4とされます。
しかし3点差とされてからも誰一人として下を向く者はいませんでした。まず1点を返したい慶應は粘り強いDFから関根(DF#57)、水口(DF#20)が堅実にクリアを成功させ、OFへとボールを届けます。
数少ないOF機会をものにしたい慶應OF陣でしたが、ゾーンディフェンスへと形を変え、さらに堅くなった相手の組織DFに大苦戦を強いられます。この状況を打開すべく、細田(MD#42)、中西(MD#13)が積極果敢にショットを放ちますが、思い描いたプレーを出来ず、点差を縮めることが出来ません。そして後半12分、再び強烈なスタンシューを浴び、無慈悲にも点差を4とされてしまいます。

それでも諦めることなく、ラクロスを「楽しむ」ことを念頭に、持てる力の全てを出し切り全員で1点を追い続けます。すると後半14分、ここまで慶應DFを統率してきた増田(DF#80)からボールダウンが生まれ、速攻からそのままショットを放つもこれは惜しくも相手ゴーリーに阻まれます。
その後も慶應は猛攻を仕掛けますがチャンスを活かし切れないまま、試合終了を告げる笛が鳴り響きました。

結果、1-5で敗れつま恋準優勝となり、3連覇を達成する事は叶いませんでした。

選手のみんな、コーチの方々、本当にお疲れ様でした。

日々の練習の後、帰宅が深夜になっても、次の日が朝練でも、学年練を何度も行い5時間にも及ぶ練習をこなすみんなの姿を心から尊敬していました。
普段はふざけていたり、永遠にボケていたりしているみんなだけど、ラクロスになると目の色が変わり、いつになく真剣な表情で練習に取り組む雰囲気が、とても心地よかったです。
結果としては優勝を逃す形になってしまい、悔しい気持ちはありますが、一つの目標に向かって学年全員、一丸となって戦ったこの大会は必ず3年後、最高学年になったときに活きてくると信じています。

僕自身もこの大会を通して、みんなが勝ち上がってくれたからこそ、上級審判員の方に様々なことを教わったり、フライ管理をやってみたりと、貴重な経験をすることができ、大きな成長の糧になったと感じています。いちスタッフとして、至らないところも多かったと思いますがみんなに感謝しています。

ところでアーセナル組には、まだ「あすなろ」という大きな舞台が待っています。現在はアーセナルは解体され、各チームに散らばっていますが、再び集結した際には大きな進化を遂げていることでしょう。必ずや優勝してくれるはずです。

コーチを引き受けてくださった4年生の言葉にあったように、アーセナルだけに限らず、経験者組、そして僕たちスタッフもこの経験を通過点とし、全日本選手権で日本一を勝ち取るために、慢心することなくひたすら努力していきます。

今年度のスローガンは「STRIVE」。
それを自分たちの代から体現すべく、選手・スタッフ一丸となって日々努力して参ります。

コーチを引き受けてくださった4年生の皆様、大会運営の方々、審判団の皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

今後とも応援の程、よろしくお願いいたします。

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