【日記リレー2021 vol.27】「系譜」〜中名生三四郎(4年/経済学部/AT/#3/慶應義塾高等学校)〜

 中村からバトンを受け取りました、中名生三四郎です。中村は部活で会う度に鋭い質問や意見を飛ばしてくれるので、思わず身構えてしまいます。しかし彼のおかげでゼミの友達が二人から三人になったので、彼の存在は僕の中では大きいです。
 
 最近は、留学に行っても5年目を続けず、退部する選手が後を絶たないのが寂しいです。皆さんのように自由になりたいという想いも募る一方で、新しい同期と共にラクロスが続けられていることも嬉しく思っています。
 昨年は日本一という目標を目指すことできず、歯痒いシーズンではありました。しかしその一方、先行きが見えない中で確固とした目標を定め、確実に成し遂げることができたのは、代としても大切で貴重な経験だったと思っております。また今年は公式に日本一を目指す場がありそうですので、先輩たちの思いを打ち砕くことなく、長年の目標に挑めることが楽しみです。
 
 慶應ラクロス部に計8年在籍することになる僕ですが、心身ともにラクロスを通じて成長させて頂きました。人見知りだった僕が、白人しかいないラクロス部に一年在籍したり、一個下の代で部活をしたりすることなんて、入部当時は想像もつかなかったことでしょう。
 また、同時にこの8年でラクロスというスポーツ自体も大きく成長したのではないでしょうか。入部した時に購入した最軽量モデルと謳われていたシャフトは、現在家のシャフトコレクションの中では最重量級に位置します。高校生の頃、YouTubeにかじりついて探したアメリカの選手たちのハイライト動画も、現在は星の数ほど存在します。更には今では日本人がラクロスのスキルを教える動画だってあります。
 
 日本にいてもラクロスの知識が十分に獲得できる現在において、ラクロス留学を行った身として少し思うことがあるので書かせてください。
 
 僕のラクロス留学におけるテーマは二つ、NCAAラクロスを肌で感じたいという「夢」を叶えることと、シンプルに現地でラクロスについて色々吸収して「成長」することでした。
 一つ目は、ノートルダムに到着した翌日に、部員宅のパーティーに参加したことでおおよそ達成されました。遠征にも帯同し、一緒にフィールドに立って試合に臨んだことも忘れられない思い出です。
 問題は二つ目でした。ノートルダムのラクロス部に帯同してすぐさま気付いたことは、彼らに特別な”何か”があるわけではないということです。練習メニューや自主練で行っているものは慶應と大きく変わるわけではなく、練習時間などラクロスに割く時間も、東戸塚に缶詰になっていた3年前よりは短いと思います。
 
 では何が違うか、これはチーム全体の「当たり前」のレベルの”平均値”の差だと思います。少し抽象的ですが、主体性やストイックさということです。一昔前の体育会魂のように聞こえるかもしれませんが、ちょっと違います。ノートルダムにラクロス部員として入学する彼ら、強豪校だけあってそのほとんどが高校時代、ラクロスでは名の知れた選手たちです。そんな人たちが50人集まってスタメンの座を争うわけですから、ストイックにならざるを得ません。またラクロスというスポーツの性質上、アメフトなどと違いスポーツで食べていけるわけではないので、勉強にも熱心に取り組みます。
 プレーヤーとして全米No.1を目指すだけでなく、文武両道への意識、それに伴う優れたタイムマネジメント能力などが、彼らの「当たり前」の意識を底上げしているのではないのでしょうか。
 週末はパーティー三昧でも日曜日の朝は必ず図書館で勉強しているやつ、毎朝グラウンドでサーキットトレーニングをしているやつ、増量にひたすら取り組むやつ、教授と口論になるほど授業に参加するやつ、部室のテレビでずっとラクロスの動画を見ているやつ。部員全員が模範的なstudent-athleteとしての「当たり前」を持っていました。
 留学を経て僕は、そのような「当たり前」の意識と幾分かのラクロスの知識、更には10kg分の体重を獲得して、帰国したのであります。
 
 留学先の話を長々と書きましたが、この「当たり前」の意識って、個人単位では慶應生も負けていないなとは常に思っています。練習へのストイックさだったり、成長への行動力だったり、リーダーシップだったり。部活や留学を通じて様々なOBとお話する機会をいただきましたが、その中でもかっこいいと思う方々はこの「当たり前」のレベルが高いと感じます。
 
 この「当たり前」のレベルの高さの系譜が、慶應ラクロスの一番の資産なのでしょう。
 
 ラクロスはプレーヤーの大半が大学から始めるスポーツであり、慶應ラクロス部は100人を超える大所帯の部活です。様々なバックグラウンドを持った部員がいるからこそ、日本一と言う目標は同じでも、目指す道のりは各々違うと思います。
 だからこそ周りの人がこなす多様な「当たり前」を真似して成長していって欲しいのです。僕の場合はそれが「ラクロス留学をすること」でした。留学を通じて、日本におけるラクロスの発展に寄与した方、主将としてチームを引っ張った方、帰国後塾高の合宿に帯同して僕たちを指導してくれた方。彼らの高水準の「当たり前」に惹かれて留学を目指しました。
 身近な選手やスタッフ、コーチを観察してみましょう。実はすごく大変なことを涼しい顔をしてやってのけている人がちらほらいます。そしてそれをアピールしたくて日記リレーに書いているかわいい奴らもいます。彼らの「当たり前」の行動が蓄積された時、プレーヤーとして大成できたり、有能スタッフ、名コーチとして活躍できたりするのだと思います。
 
 真の日本一への道のりは遠いです。22年間も達成されていないのですから。部員全員が自分なりの「当たり前」をある程度のレベルにあげた時、やっと挑戦者になれる位の難易度でしょう。
 他のスポーツと比べると、ラクロスに携わることができる時間は短いです。8年プレーできた僕でも後悔していること、もっとできたなと思うことは多くあります。アーセナルの人たちはもっと一瞬なのだと思います。どんな些細なことでもOB、先輩、同期、後輩から学んでもらいたいです。幸運なことにここ数年で部内の上下関係はかなりマイルドになりました。良いことばかりではないかも知れないですが、成長したい新入部員にとっては素晴らしい環境なのではないでしょうか。先輩の様々な「当たり前」を吸収して、真の日本一を目指せる部員になりましょう。
 
 最後に新しい同期に。大事な四年目に僕を受け入れてくれたことに感謝しています。留学が決まった辺りから野上やはっちーにはそれとなく仄かしていましたが、特に塾高から一緒にやってきた人たちはずっと先輩だったのでやりにくいと思います。しかしその分僕としても非常に思い入れがある代ですし、あと数ヶ月頑張っていきましょう。
 
 続いてはかいしょうです。守護神かいしょう。ゴール前の激しいセーブ姿とは裏腹に、純白で豊満な身体を持つかいしょう。僕のラクロス人生にて見飽きたシーン第二位は、かいしょうのセーブです。

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