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日記リレー

【日記リレー2022 vol.8】「無駄な努力」〜太田旭(4年/法学部法律学科/C/慶應義塾高等学校)〜 

NY校出身の割にはしっかりしている大石やまとからバトンを受け取りました、太田旭です。ラクロス部のインスタグラムには彼が編集した投稿が数えきれないほど載っていますが、自分のアカウントの投稿数はどうやら少ないようです。きっと自分を犠牲にチームにコミットして来たのでしょう。

彼の日記リレーに触発された方、アーセ練でお待ちしています。

タイトルが少し尖っていて警戒した人もいるのかな?と思いますが、安心してください。ちゃんと回収します。せっかくアーセナルコーチをやっているので、この日記リレーでは特に後輩達に向けて伝えたいことを書こうかなと思います。思いついたことをそのまま書いていくつもりなので、自分も例に漏れず拙い文章になっているような気がしますが、時間がある方はお付き合いください。

最近、この部活は随分と緩くなったと感じることが多くなりました。老害ですね。

今の4年が1年だった頃は、4時間練・毎練習後の対面ミーティングは当たり前でした。いつでも自主練できる矢上があったし、協生館のウエイトルームも使えました。全てコロナ以降使えなくなりました。

今よりラクロスに向き合う時間が圧倒的に長かったのです。おそらくこの部活にはこれまでの人生を効率よく生きてきた人が多いと思うので、がむしゃらにやる事に対して抵抗を持っている人もいると思います。

そこで、イチローの名言を紹介します。

「無駄なことをしないと合理的になれない」

ミスなく目標を達成できる人間はいないし、たとえ達成できたとしても人としての「深み」が出ないと言っています。

これはどういう意味でしょうか。

近年、ラクロス部あるいはスポーツ界全体においては合理性や知識に基づいた行動こそが正義だと言われ、長時間の練習や精神論が無駄とされる風潮があります。

勿論考えて練習することは何より大事ですが、考えて練習すれば短時間で簡単に成果が出るということではないです。

最初から短時間の練習に甘えていては、何の練習に意味があって、何の練習が無駄なのかを判別することはできません。他人の知識を真似しているだけでは、自分の思考力が鍛えられず壁にぶつかったときの克服方法が分かりません。何度も反復練習を重ねてようやく手に入れることができる技術は習得できないし、単純な忍耐力や精神力も貧弱なままです。

人としての深みが出ないとは、こういうことなのだと思います。

この部活のトッププレイヤーも、無駄な様に見える努力を重ねてきました。

空きコマのたびに矢上でシュート打ってたやつ、シュート練に付き合わせ続けた結果ゴーリー泣かせたやつ、高校時代にラクロスやり過ぎて成績落ちて部停になりかけたやつもいます。

彼らはこのがむしゃらに練習する過程を経て、効率的な練習方法を見つけて行ったのでしょう。

当然、今の行動を「無駄な努力」だと思っている人はいないでしょう。後から振り返った時にあれ要らなかったな〜みたいに思えたら良いということです。それができたら、「無駄な努力」は「無駄ではなかった努力」になります。その頃には前と比較してきっと効率的な練習ができていて、思考力も成長していることでしょう。

かく言う僕も怪我を抱えながら足掻いてきた、「無駄な努力」を重ねてきた人間です。自分に残ったものは、そこら辺の人間よりも物事に向き合える精神力と、ほんの少しのフィジカルです。ただ、この無駄な努力によって得たものをアーセナルの選手に伝え、彼らが今後の慶應ラクロスを支えてくれたなら、「無駄ではなかった努力」になるのかもしれませんね。

要するに僕が言いたいのは、まず「無駄な努力」をがむしゃらにやってみてほしいという事です。コロナがきっかけで強制的にラクロスに向き合う時間が減ったと言いましたが、コロナを言い訳に堕落を受け入れる人は居ないと信じています。

そしてがむしゃらに取り組んでいる人が増えると、互いに刺激しあえる環境ができます。

大抵の人間は他人に影響されやすい弱い生き物なので、辛いトレーニングを1人でこなし続けられません。他人が怠けていたらつられる人もいるだろうし、逆に頑張っている人がいれば自分も頑張らなければいけないという気持ちになります。

勿論そんな歪んだ理由だけでなく、共に切磋琢磨できる相手がいるというのは力になります。全員が良い刺激を受け取れる様にするためにも、その発信者を増やすことは重要です。

自分がチームを良い方向に持っていくのだと言う当事者意識を持ってください。

当事者意識に関連して、もう1つ伝えたいことがあります。

昨年、弊部は23年ぶりに全日本選手権優勝を果たしました。何故勝てたのでしょうか。

弊部は「最高のチーム」になれたのでしょうか。

しばしば囁かれる「最高のチーム」の答えとして、「試合に出ている人は勿論、出ていない人も含めて心から勝利を喜べるチーム」であると言う説があります。チーム全員が本気で勝利に向かって努力し、自分の責務を全うすればこの状態に到達するということですね。

ラクロス部は大所帯である以上、全員が試合に関わって勝利に貢献することは不可能です。試合に出られなかったり、共に努力した人間や枠を争った先輩後輩が活躍したりすると、悔しさ・嫉妬・嬉しさといったものが混ざった複雑な感情になることもあるでしょう。私はこれこそが各々が当事者意識を持って本気で努力した証になり、チーム全員がこの状態に到達すれば、「最高のチーム」になったと言えると思います。

では昨年度の優勝時はどうだったでしょうか。

大半の人間は他人事のように捉えていたのではないでしょうか。

では、勝利した理由は何でしょうか。

一部の人間が死ぬほど努力し、そして努力できる人間が僕の代と一個上の代に多く在籍していたからなのだと思います。

この様な状態では、最強の座に君臨し続けることはできません。いつか必ず廃れます。

これを変えるために僕はアーセコーチをやっています。1年生の間にラクロスに費やす時間、考え方など環境の土台ができます。技術的指導は勿論ですが、全員がラクロスに本気で向き合う環境作りが出来れば、「最高のチーム」の第一歩となると思います。このチームはまだ強くなれるでしょう。

アーセのみんなは、もう暫く「無駄な努力」を重ねる期間です。多分これから苦しい時間が来ます。2年生はアーセが解体され挫折の連続だと思いますが、目標を失わず、互いに刺激し合えれば乗り切れます。来年までは玉置もいるので、困ったら相談すれば良いです。そして苦しい時間を乗り切るために、今は土台作り頑張りましょう。

最後に、感謝のコーナーです。

本当は関わりのある人すべてに感謝の意を述べたいですが、長くなりそうなので別の機会にします。

一番お世話になったみやけいさんに向けて。

みやけいさんが居なかったら、今の僕のラクロス人生はありませんでした。結局リーグ戦で活躍する姿は見せられなかったし、Bリーグで負けた時も怪我で出られなくて、当時申し訳なさすぎて顔もまともに見られませんでした。でも、みやけいさんにもらった1年間でラクロス人として、そして人として大きく成長することができたので、足掻いてよかったと今では思います。あの足掻いた日々を礎に、この部活を少しでも良くする為に努めているので、期待しててください。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

次は岡村です。ゼネラリストです。

舞うような1on1から得点を量産し、そのままゴールパフォーマンスで舞います。先日の試合で彼のパフォーマンスを久々に見ましたが更に磨きがかかっていたので、まだ見ていない人は見てね。

真面目な話、彼をプレーで圧倒できたら来年は活躍できると思うので後輩のみんな頑張ってね。

普段は愉快な岡村のアツい文章に期待しましょう。よろしく!

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